清乃

人形の中の人形
冒頭から正直バカなのか天才なのか、凡人の私には到底分からないリズムを感じた。
ここからはあくまでも凡人の私の解釈である。


「佳織」という人形の脳みそには、小さな椅子が用意されていてそこにこの主人公らしい語り手が搭乗しているのであろう。
語り手はまだ操縦初心者。
だから時々「佳織」は誤作動を起こす。
勝手に動き出す。
これを俗に「暴走」ともいう。
故にそこでセリフに一般人としては理解に苦しむ矛盾が多々生まれているのであろう。


人形から見た人間ってこんななのかなぁと思う。
こんなに「滑稽」なのかぁと。


暴走中の出来事は語り手の知るところではない。暴走中は語り手も人形であるからだ。人形には心も脳みそもないからだ。

だからきっと浅野くんを屋上から突き落としたことも過失ではなくてあくまでも事故、なのだろうな、と思う。
だって人形の暴走が引き起こしたことなのだから。


喋るオウムやインコみたいだと思った。