プロローグ
ここは人間界より上の国「天界」。
地には鮮やかな色の花が咲いている。
長い青い髪の少女が樹の根元に座り、花を眺める。
すると、一輪の花が一瞬にして枯れて行った。
「また、、、」
少女はつぶやいた。
「また一つの命が消えた、、、」
最後のほうは消え入りそうな、さびしそうな声だった。
彼女が空をあおいでいると、不意に後ろから声をかけられた。
「仕事だ。」
声の主は、緑色の青年だった。
青年はそれだけ言うと、白い翼を広げ、下の世界―――人間界へと飛び立った。
少女は背中の真っ白な翼で青年の後を追いかけた――――――。