mimiko

自分の小ささを知っているから、大きく見えるララク。
この世で生きていると、去勢をはったり、見栄をはったり、嘘をついたり……

みんな生きることに一生懸命です。
それもひとつの愛しい人間の姿だと思います。

でもこちらのララクは、自分の小ささを知っています。
力の無さを知っています。
それを受け入れています。

とうてい叶うとは思えない、切ない恋心をひとりで抱いて、

「届いた!」

と歓喜したのは、本当に刹那の時で……


それでもララクは変わらなかったのです。
己を知り、空を見上げ、やはり遠い恋を抱いて生きています。

それは、潔く美しい姿なのですが、我々読者は、とても切ないのです。
どうしようも出来ないことがわかっているから、なおのこと切ないのです。

ララクはどこまで達観しているのでしょうか。
一夜語りの場で、ゆっくりと耳を傾けてみたい気がしました。
ララクを支えるその声が、ひょっとしたら聞こえるかもしれませんし……