作品コメント

中嶋 まゆき

2015年10月4日

これぞ館物
面白かったです！館物の魅力がストレートに書かれています。初めて館ミステリを読まれる方、または斬新なミステリを読まれてきて、王道に戻りたい方も楽しめると思います。

館ミステリーならではのトリック
これは館ミステリー好きでないと考えが及ばないトリック。タネが明かされた時、ウームと唸らされたのはけして私だけじゃないはず

意味ありげで風変りな館、そして訳ありの招待客。ミステリー好きを引っ張ってくれます

「細工は流々、仕上げをご覧じろ」という感じです。状況設定、トリックなど文句なしに楽しめました


ひとことだけ、鷹尾さんは首つり？　女性の李家さんが力づく？　鷹尾さんの死に様の描写が足りないこと、その殺害方法、そして李家さんに協力した理由が明らかになっていません。ちょっとだけモヤモヤが残ってしまいました

それと伊関さんと奥さまの噂の真実はこの事件に何か関わってくるのか？　もしや李家さんと嵯峨根氏のことを奥様の耳に入れたのが伊関さん？

事件の裏側に潜むドロドロをもうちょっと書き込んで、動機づけを濃くしてくださった方がドラマチックなんじゃ……、これはまったく私の好みですが。


探偵、八神さんは好きです。寝癖の残った頭に便所スリッパ、昼間から酒の臭いを振りまく不良探偵。①と表記されていることが、今後を期待させ楽しみでなりません。

館物の王道
　人気ミステリー作家の未発表の作品。そのお披露目に呼ばれた男から連絡を受けた主人公。二人は作家の別邸【月光の館】を訪れる。

　と、館物の王道を行く出だしから始まる本作。内容もまさに館物です。
　ちょっと風変わりな建物に、癖のある招待客。そして発生する殺人事件。

　やや単調ではありますが、程よい長さなので気軽に読めると思います。館物入門にはもってこいの作品だと思います。

日下奈緒

2014年1月6日

ドキドキする展開
ミステリー好きの記者が、見知らぬ男に呼び出され、有名作家の家へと招待される

その見知らぬ男、探偵（？）らしいのですが、ボサボサの頭に、足にはトイレのサンダルと一風変わった様

招待された家は、有名作家の遺作にちなんだ名前が付けられ、何か起こりそうな予感…

冒頭の数ページで、これは面白そうと思いました

ドキドキして、次のページをめくるのが楽しみでした

たっちょんぱさんの作品は、何作か読んだことがあるのですが、出てくる探偵さんは割と普通だったのに、今回の八神さんは、ちょっと変わっていて、それも面白いものでした

とにかく衝撃的だったのは、仕掛けを使ったトリック

ええ!?　そうだったの？と全く思いもつかないトリックで、それはやられた！と思いました

相手の何気ない一言から、犯人を導き出すところも、「そうだったのか！」と納得

最後の最後まで、唸りっぱなしの作品でした