「誰も、わたくしを助けるものなどいないのだわ」
ーー白砂漠を挟んで睨み合う、ルー=バライズ帝国とアストシア。
泥沼化した戦争にもはや名は無く、ただ生きることさえ困難な災禍の時代だった。
ルー=バライズ帝国第四皇女ジファーンは、革命勢力の手により、わずか数刻の間に己の身以外のすべてを失った。
「ならば己を助け、己の力で生きよ。我はそうして、幾千の刻を生きた」
すべてを喪い、ひとつの出会いを得た。
薔薇と讃えられた亡国の姫と、彼女を殺さんと降ろされた魔物。
ーー相容れない、運命だった。
※オリジナルファンタジー。『砂喰いの狼』と世界観を共有していますが、独立したお話です。
※作品中に登場する地名、登場人物名などはすべてフィクションです。
2014.06.12連載開始〜2014.12.13完結