素朴な牧人の青年ツヨスは、人間不信のために多くの人を処刑している暴君のはなしを聞き、激怒する。そして王の暗殺を決意する。しかし、あえなく衛兵に捕らえられ、即刻処刑されることになる。ツヨスは親友のセリヌンヨワスを人質として王のもとにとどめおく事を条件に、妹の結婚式に出るため三日間の猶予を得る。王はツヨスを信じておらず、死ぬために再び戻ってくる事などはないと言いのけた。
妹の結婚式からの帰途で、ツヨスは度重なる不運に出遭う。そのために心身ともに困憊し、一度は王のもとに戻ることをあきらめかけた。しかしその時、ツヨスは自分自身が、かの人間不信の王がいう”弱い人間”そのものである事に気づき、再び走り出す。人間不信の王を見返すために、自分を信じて疑わない友人の命を救うために、そして自分の強さを示すために。