「…君か」
二人はある場所で出会った
「ここに来てたんですね」
二人はいつも行動を共にしていたが
此処で会うのは初めてだろう
「少し…意外でした」
それが率直な感想だった
「ああ…話す事がたくさんあってね」
今は亡き彼女に会いに来るなんて
「ようやく認める事が出来そうだよ」
その墓前で
そう言って寂しそうに笑った
「遠回りになってしまいましたね」
此処に至るまでの時間と道のりは
そう簡単に語れる長さではなかった
「ある意味
これが私の選び望んだ
結末だったのかもしれん」
数多の可能性を否定して
残された可能性
「良かった」と言える
可能性だったかは
本人達にしか分からないが
それも数多の可能性の中の1つだった