1992年 1月5日。
絵に描いたような仲の良い家族の中に新しい命。
・・・・でもその命は、失敗作。
神が幸せを奪った。
僕は、神に見捨てられた失敗作。
母や父は知らない。
僕が・・・DEATH BOYであることを。
生まれてから1週間、赤子の目は開かなかった。
8日目、何かの激痛に耐えるかのように
大きな声で泣き叫んだ。
開いた瞳は血のように真っ赤だった。
母は疑われた。
浮気をした、他の男の子を産んだと。
でも、赤い目の日本人は居ない。
・・・僕は失敗作。
母は泣いた。
僕を産んだことを後悔した。
父は僕を見て笑うことは無かった。
・・・友達も出来なかった。
でも、僕には涙が居た。
涙と言う真っ黒なカラス。
涙は友達。
涙は嫌なものを消してくれた。
見たくないものは全て消した。
でも、僕は何もしていない。
唯一した悪いこと。
・・・それは、生まれてきたこと。