数か国に渡り同時多元的に繰り広げられるオムニバス小説。日本の現実につくづく嫌気がさした青年がバックパックの旅に出るところから始まる…




日本時間の午前2時、ポリネシア諸島サモア共和国に世界一早い夜明けが訪れる。


銚子岬が日の出を迎えるのは、その3時間あまり後。そして東京の高層ビルを新しい朝の光が染める頃、太陽の光は韓国を、香港を、インドネシアを次々と昼間へ導いてゆく…。


この夜明けの橋渡しは、46億年もの間毎日繰り返されている。そして今この瞬間も、どこかでその橋渡しが進んでいる。


でも、人はいつしかそんなことを忘れ、ネオンの光や街頭の明かり、人工的に作られた幸福にばかり希望を求める。感動というものは、案外身近なところにあるかも知れないのに…。


この物語は人生につくづく嫌気のさした18歳の青年、最上壮一の成長記を通して世界中の色々な問題を描いたものである。こんな問題ばかりの世の中で、一体どう生きていけばよいのだろう…?




※実在する人物や団体名などとは一切関係ありません。