泡沫ユートピア

作者夕未

そこは上辺だけの、理想郷だった。





その国はまさに理想郷だった。


常に豊作で、飢えも苦しみもない。


理想郷だった。


ただしそこは、誰かの犠牲の上に成り立つ悲しい理想郷にすぎなかった。