君はただ笑ってた。
僕の前でただ笑ってた。
荒れ果てた大地と閉ざし切った人間の中で君だけは輝いてた。
そして君が僕を見つけた。
凹凸の世界で。
僕達は恋をしてしまった。
嘘と欲望の街で。
僕は君を守り抜く事を自分自身に誓った。
でも君を傷つけた。
『ごめんね』
僕は君に謝る事しかできなかった。
君の美しい羽根を僕が汚してしまったから。
薄汚れた僕の手で。
君はそれでも笑顔だけは絶やさなかった。
『何故?』
僕には理解できなかった。
『君を傷つけるだけ傷つけたのに何故?』
黒い空に浮かび上がる二つの月。
君にも見えてたはずの二つの月。
澱んだ空気に息が詰まった。
5年前君が僕に気持ちを伝えてくれた時から僕の中に光が芽生えて君が僕の見てきた世界を違う色に変えた。
鈍感でドジな君を愛しく思えて仕方なかった。
『このまま愛してもいいですか?』
永遠に…。