おもい雨。

作者




あいつの特別に

なりたかった。


あいつにとっての

唯一の存在になりたかった。



だけど叶わなくて、

憤りが積もっていって

気づけば哀しみに。




あいつだけでよかった。


私の世界のすべてを

引き換えにしてでも、

彼を手に入れたかった。





幼すぎたあの頃に

戻れるならば、戻りたい。




あいつだけが、

欲しかった。


あいつだけが、

私の世界に色をつけられた。








Start 2011/01/15