思い出はいつも桜と共に―

作者朱音

ガキだった俺は素直になれず、大事なものを見失い、傷つけることしかできなかった―。17歳の翔流とその家族との間にできた溝を埋めることが出来たのは…


あれは確か

俺が3つの頃の記憶

俺の手を引き歩く母さんの

もう片方の手には大きな荷物


顔も覚えていない俺の父親と別れ

家を出たあの日


満開になった桜の並木道


悲しそうな母さんの横顔と

風に舞う花びらを覚えている―






思い出はいつもと共に―






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