【甲子園の土】
孝太、
お前に出会えていなかった人生とお前に出会った俺の人生は
まるで違うだろう。
野球をやることになって、
お前とバッテリーを組むようになって───
『甲子園に…行けるっスよ!』
──それが決まったあの瞬間の嘘みたいな興奮と異常なまでの胸の高鳴りは…
今でも決して忘れることはない
今からこの決勝で
お前と共にバットを振り、
お前に向かってこの球を投げる