2010.08.24 改訂終了
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- 最終更新日
- 2010/08/24
- 作品公開日
- 2010/03/10
- ページ数
- 完結 26ページ
- 文字数
- 7,002文字
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作品コメント
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- 神水紋奈
変わる心 情景が眼に浮かぶような繊細な描写。 淡々としていて、それでいてどこか激しさを秘めている ストーリー。 本当に素晴らしいです。 作者様の中にある情景が、作者に伝わってくる文章力は 素晴らしいです。 主人公の儚い運命と、それを変えようとする主治医。 この二人がいつか、桜を見に行ける日がくるようにと、 願わずにはいられません。 心の変化を自覚した主人公のこれからは、いったいなに が待っているのか……切なくも、温かい気持ちになれる お話でした。 本当に素晴らしいです。 ぜひ読んでいただきたい作品です。
- めぐり飛空
深い 端整な文章が織り成す、儚い物語。 主人公:蓮華は幼いときから病で、もうずいぶんと病室から出ていない。 唯一、季節を知らせてくれる窓の外の植物と毎日顔を見せに来る、空気のような主治医。 それが蓮華の日常だった。 短いお話でしたが、1ページ目から引き込まれる文章と美しい言葉。 すぐに物語にのめりこんでしまいました。 蓮華の儚い気持ちや葛藤が、痛いほど伝わってきて心に沁みます。 『紅』という残酷で妖艶な顔を持つ色。 物語の中で、キーワードともなるその色は、蓮華に凄まじい衝撃と微かな夢を与えてくれます。 心に響く、作品でした。 オススメです。
- ひな
桜 蓮華は5歳のときから入院していた。 それから病室の外には出たことがない。変化のない毎日で、泣くことも諦めてただ通り過ぎる時間を見送る。 変化するのは窓から見える桜。 『桜の下には死体が埋まってる』 そんな話を思い出し、その桜に触れてみたと、肌で感じたいと願う日々。 病室にやってくるのは事務的な看護士と独り言のように言葉を羅列する担当医。 この病気は治らない。 絶望の中で生きる彼女の体に訪れた痛み。最後を感じたとき、彼女は――。 とても儚く綺麗なお話です。 すべてに絶望しているのに、『死』はやはり恐ろしく受け入れ難い。 その気持ちにはとてもリアリティさを感じます。 そして目に浮かぶような情景。 紅い桜、敷き詰められた花びら。 何もかもが幻想的です。 いつか二人でお花見を。 そう願いたくなるようなお話でした。