小泉秋歩

透明感のある幻想の世界!
ごく普通の女子高生・雛菊は、幼少の頃から同じ夢を見続けてきた。
それは、異世界で懸命に祈り続ける少年・シャナの夢。
いつか自分はシャナに会う、という予感を抱いていた雛菊の前に、ある日、異世界への扉が出現した。
「ちょっと、そこまで」と言い残し、躊躇なくその扉をくぐる雛菊。
そして、雛菊はついに実物のシャナに巡り合ったのだが、当のシャナはかなり無愛想な性格で――?

異世界訪問ものの王道ファンタジー。
描写がとても清らかで、瑞々しい透明感に満ち溢れています。
主人公の雛菊の、どんな特異な状況にもめげず慌てず、楽天的かつ前向きに進んでいくのが、宮崎駿監督のアニメのヒロインにも通じる芯の強さ、たくましさ、繊細な優しさを兼ね備えていて、非常に好感が持てます。
また、シャナの大人びた無愛想さとプリンに目を輝かせる子供っぽさのギャップもとても可愛らしいですよ。

新キャラ・アサドの登場により、シャナに秘められた謎も少しずつ明かされてきており、今後がとても楽しみな作品です!