小さい小さい俺達は
恋なんか知らずに
まるで家族のように一緒にいた。
朝から夜まではもちろん。
季節を巡り
成長を共にした。
俺達は
色んな事を
一緒に経験したね。
桜の花びらのシャワーを浴びたり
海に沈む夕日を眺めたり
枯れゆく落ち葉で音を奏でたり
白い雪で小さな家を造ったり
だから。
それがいつまでも
続くと思ったんだ。
一緒にいるのが
当たり前だと思ったんだ。
いつの間にか
抱いてたお前への恋心。
嫌だ。
行かないで――。
他の男を見ないで――。
お前が隣にいてくれないなら
俺を必要としてくれないなら
俺は――――。