片手にはいつも聖書。
成績優秀だが、潔癖症のせいで身みんなからは相手にされず、一人孤独な学校生活を送っていた弘一。
そんなある日、弘一は下校中の電車の中で一際髪の毛の色が薄い、金髪の青年を見かける。
耳にはピアス。
足を組み、だぼだぼの腰まで下がった制服。
携帯と睨めっこし、イヤホンからは大音量の音楽が流れ出ている。
正に、不良そのものである。
弘一は、正義感に満ち溢れた気持ちで彼の傍に近寄り、ハッキリした口調で言ったのだ。
「周りの人が迷惑しています。今すぐに音楽をとめてください。」
「あぁ?」