いじめ‐真奈美編‐①

作者まる屋

「いじめを追放しよう」


ニュースで取り上げられる「いじめによる自殺」の話題。

真奈美は、TVに流れる正義の言葉に悪意さえ感じた。


そんな簡単な物じゃない。


リモコンを乱暴にテーブルに投げて、学校へ向かう。

朝の道のりがこんなに疎ましく、足が重くなったのはいつからだろう。


小学校の時は標的にはならなかった。

あの頃も「いじめ」は存在した。

加害者にもなりたくなかった、でも標的にはもっとなりたくなかった。


中学生になり、私が標的になったのは本当に些細な事。

グループ班ごとに調べた内容を大きな用紙に書いていた。

私は一瞬の不注意で、絵の具の筆を洗っていた小さなバケツを用紙にひっくり返し全てをダメにしてしまった。


発表は目前に迫っていて、「全部自分でやり直す」と必死で謝り、徹夜をしてやり直した。

でも、リーダーの子の反感を買ってしまった…


それから「いじめ」が始まったのだ。