無名の画家を母親に持つ十二歳の少女アリサ。
その母親のフランス留学を明朝に控えた小学生時代最後のクリスマスイブ。
アリサがサンタクロースからもらったプレゼントは、まったく予想だにしないものだった。
「本当はフランスには行かないの」
吹雪の中で告げられた母親との突然の別れは、中学生になってからもアリサをそのトラウマから抜け出させることはなかった。
大好きだった人にだまされていた父親と弟ハヤトの壊れていく人の心にいつか自分も……。
たった一度しか見ることのできないその景色に、アリサは何を想って生きていくのか――。
凄惨な情景を繊細な言葉で綴った、如月來斗待望の第弐弾小説!