桜圭

多重人格者たちの息をのむサスペンス
隔離性同一性障害を持つ主人公の広人は広美というもう一つの人格に耐えられず自殺願望を抱いていた。
そのとき同じく多重人格者であるキリトという人物と出逢いそこからこの物語は始まっていく。

主人公の視点がころころ変わるだけではない、相手もころころ変わるのだ。広人に広美、そして恋人である霧子はキリトになりニンギョウになり…。
しかし話はごっちゃになるどころか何の違和感も感じません。
むしろ私は舌を巻くほど感心した。色んな人格が登場しそれぞれの人格たちに勉強させられ、そして知識を貰いました。

第三者の冷静な舞香が読む者の見解を的確に発言してくれるため何処か現実離れもしておらず怖さも感じる小説です。
終盤の展開には耐えきれないものがある。

ことごとく読み手を裏切っていく凶悪で破滅的な人格の悪魔に振り回され…あなたはこの物語の中で何度涙を流しますか…?

(何か長々と感想文みたいになりすみません。是非!読んで貰いたい)