「人間ってさ急に死にたくなるの」




屋上のフェンスの向こう側で君は言った



一歩踏み出せば簡単に逝ける





僕の左手首には包帯が巻いてある




「死にたくても死ねなかった人沢山いるよ」



君は笑顔のままフェンスを挟んで僕の左手首を見つめていた





空は晴れすぎていた