この世界は美しい。
排気ガスが入り雑じるくすんだ空気。
路地裏に落ちている使用済みのコンド
ーム。煩いくらい響く意味の無い雑音
ゴミに群がり、ビルの間を飛び回る烏
たち。露出の多い服着て怪しい笑みを
浮かべながら客引きをする外国人。
中学生にまで手を出す売れないホスト
たち。夜空の星さえも霞んでしまうく
らい明るいフィラメント………――
それらを肯定するこの世界が、
美しくて堪らない。
「私、もうすぐ死ぬかもしれない。」
死を迎えると知っていながらも恐れる
ことを知らない人造人間と、
「面白いね、君。」
愛を恐れる男のとの歪んだ愛の物語