宝人(タカラビト)。前編

作者Mah

ねぇ。楓。


最後に一つだけ言わせて。


あんたと出逢ったことが 運命かそれともただの偶然かなんて


私には一生わかるはずなんてない。


たとえ。

あんたとは“一生結ばれない”

そんな運命だとしても。



あたしは何度もあんたに逢いにいくよ。


こりないヤツだって

また笑うだろうけど。



馬鹿だから仕方ないでしょって笑いとばしてやるから。


いつか結ばれる奇跡を信じて


あたしはあんたに逢いにいくの。



たとえ何度傷つけられても。

何度泣かされても。



あんたのそばにいれること。


それだけがあたしの

唯一の“幸せ“なの。



出逢わなければよかった。

そんなことこれっぽちも思わない。



出逢えたから、悲しみ以上にたくさんの幸せをもらえたの。


あんたはあたしの

たった一つの宝物。


宝人。


そう

呼ばせて欲しいの……。