「俺は10年前に、大きな過ちを犯した」
ある日、偶然に出会った彼は、無表情のままそう言った。
「私、7歳までの記憶がないの」
ある日、偶然に出会った彼女は、悲しそうにそう言った。
もう二度と出会うはずのない…出会ってはいけない二人が出会ってしまったその瞬間に
決して引き返すことの出来ない何かが、静かに動き出した。