花火は見えない…

作者陽炎



だから、ダメだと言ったんだ。





馬鹿みたいに、俺はこの人を信じて馬鹿みたいに苦しめていた。





妹が死んでどれくらいたったのだろう。

だけど、おれは全然死を受け入れていないのだ。

一番、受け入れないといけないのに。




妹の彼氏は、受け入れられなくて狂ったのに。





やばいよな、というくらいなのに。





俺の人生を変えたのは、あんただった。





あんたが俺に言ってくれたあの言葉が、救ってくれたのに。





あんたは、昔のあんたじゃなくなった。




「大丈夫か?」




新しく仲間ができた頃には、妹の彼氏はやばい方向まで進んでいたんだ。