円の宮殿の中…吹き荒ぶ風。
『兄さん…ここにいても仕方がないよ…。』
僕の方に一歩ずつ歩みを進めながら静かに語りかけるルック。
『僕たちはただの真の紋章の入れ物。ヤツが欲しいのは貴方じゃなくて真の紋章だ…。今なら間に合う…。僕と一緒に来ないかい?』
手を差し出すルック。
『行けるわけがないよ…。僕はこの国の神官将だ!!!』
くすっとルックは僕を鼻で笑う。
『あさはかだね…兄さん。貴方はヒクサクの手駒に過ぎないんだよ…。どうしても受け入れてもらえないなら…真の紋章だけ奪って行くだけだよ!!!!!』
ひときわ強い風が吹いて僕は壁に叩きつけられた。
生温かい血が額を伝う。だんだんと意識が薄れ、視界はブラックアウトした。