由藤未亜
24歳
今年の誕生日で、25歳になります。
だけど――
『あたし』の「刻」は止まったままです。
大切で、大好きで。
何にも代えられない人だった人を失くした、15歳の、あの日から――。
生命の危険に脅かされ、冷たい瞳をした「男」に犯された、10歳の、あの日から――。
上履きも体操着も登校靴も隠され捨てられ、教室に居ると空気が汚れると嘲るクラスメート達の中、親友と信じたあの子が笑う中を、傘も無く、靴も無く、泣き声を殺して通学路を帰った、7歳の、あの日から――。