リアルドール

作者ゆづる

遠宮美鶴は、母親を慰めるために時折死んだ姉の代わりになる。自分の存在理由と揺れる自我。……「青春/友情」カテですが、そこはかとなくBLよりかも(汗)。

白や桃色。レースにフリル。

それらは、姉が愛していたモノ。

そして、今。

現在進行形で、母が愛しているモノ。

僕は、そんな母のお人形さんだ。

いなくなってしまった姉の代わりに。

僕は、母の着せ替え人形になる。

昨日も。今日も。

そして、明日も。

母の住む世界が、ぐるりと回転して、

彼女の価値観が、変化してしまうまで。

あるいは、僕の自我というものが、

母の顔色を窺うことをやめることができる日まで。

・・・・・・そんな日が。

・・・・・・いつ来るのかは、わからないけれど。