誤差丸
携帯小説の発明!
まず、
会話文「のみ」で作り出されていることに驚かされます。
大抵はここで「会話しかないじゃん」と惹いてしまうのですが、
そうならないのがこの作品の凄いところ。
場の雰囲気、情景、人物の感情などが
「会話」を通して全て伝わってきます。
しかも、極めて自然な流れの中で。
ふつうは「無駄」になってしまうような部分でさえも「演出のひとつ」になっていて、
あざとさ・わざとらしさを感じさせません。
和やかな雰囲気のままで、どこまでものんびりと楽しませてくれます。
そういう、読者に対するさりげなく細やかな配慮は、巷の「携帯小説」との決定的な違いかもしれません。
本質的な意味で、徹底的にエンターテイメントです。
携帯小説というフォーマットにおいても、「発明」が生まれることが証明された作品です。
こんな面白い試みがなされている作品を読まない手はありません。
皆さんもどうですか?