あのころはクーパーがいた

作者村上まゆみ

 小学三年生の時、転校してきたばかりの僕には、なかなか友達ができなかった。でもそんな時、クーパーという犬を拾ったことをきっかけに……。

 瑞穂、小学三年、美月、小学一年。やさしい父と心配性の母に包まれて育った釧路の日々。脱走してきた賢い土佐犬・クーパーを軸に繰り広げられる少年時代を、瑞穂は回想する。今の自分が求めているものを思い出すために。