これは赤い目を持った女性と、青い目をした青年の、ちょっと歪んだ恋愛ごっこ。
聖誕日。それは神が、大陸が、人が生まれた、一年の終わりと始まりの、大切な日。
聖誕祭。生まれたことに感謝する神聖な祭り。
寒い冬でも、この日だけは明るくて、暖かい。
そんな日に私と彼は、宿の一室にいた。
「・・うっ・・・くうぅ・・・!」
「泣かないで、君の泣き顔だけは、見たくない」
泣いている私に優しく話しかけてくれる彼。
私は今、その彼に刃を向けている。
「うぅっ・・・」
私達が出会ったのは、まだ花が咲き始めた頃だった。