僕、大宮翔太は、人間と話すのが苦手だった。
何を考えているのかもわからないし、何をしようとしているのかもわからない。
現実世界に嫌気がさした僕は、ゲームの世界に現実逃避するようになる。
そんな僕は、とある女性と出会う。
彼女と過ごす現実世界での日々は、確かに楽しいものだった。
しかし、楽しかったのも束の間、彼は余命半年であることが医師から告げられる。
その事実を軽く受け止め、彼女に伝えると、彼女はこういった。
「死ぬまでにさ、いっぱい思い出を、作ろうよ。」
僕はそれを拒否したが、「じゃないと私も一緒に死ぬ!」と脅され無理やり承諾してしまう。
それからというもの、僕は遠出をするたびに、楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、儚いこと、色々な感情に触れ、現実世界は楽しいことに気付かされる。
しかし、それと同時に、彼に「死」への恐怖が襲いかかってくる。
「こんな素晴らしい世界を見つけたんだ。この世界とサヨナラなんてやだ。やだ!死にたくない!」