『時計台タイムベルに白い大蛇が出る』という噂を聞いたオカルト好きな鬼山聖は、親友アルバートとともに、タイムベルに、真相を確かめるべく夜中に行くことになった。そこで、猟奇的な狼男や、無数の蛇を操る蛇女など奇妙な人たちが、楽器の演奏をする奇妙な光景を目撃する。
彼らは半獣ーー。超人的な身体能力を有し、人間の血なしでは生きられない存在だった。
タイムベルでの奇怪な夜を過ごした翌朝、鬼山の身体に異変が起きていることに気づく。並々ならぬ身体能力に、沸き上がる人の血を啜りたいという欲望。まさに、半獣の特徴そのものだった。
鬼山が、身体の異常に戸惑いを見せる最中、ロンドン街で、次々と全身の血を抜かれた変死体が見つかる。さらに、親友アルバートとの仲もこじれ、今まで自分を大切に育ててくれた家族とも別れることになってしまう。
誰がなんの目的で自分を半獣にしたのか?
ロンドン街で見つかる変死体の謎とは?
これは思わぬ形で人外の存在となった鬼山の数奇な運命を綴った物語ーー。