小さな町に、八百屋の店番をする男がいた。男は、家庭の崩壊と貧しさで、荒れた青春を過ごした。しかし三十年の歳月が男の心を癒やし、他者の幸せを祈る〝祈る男〟に変えた。男と同じ町にある女がいた。女は幼い頃孤児だったので、親戚をたらい回にされ、性的な虐待も受け、愛に飢えた〝渇いた女〟になった。女は、穢れた心身と魂を清めようと、病的なほどボランティアに打ち込んだ。ある日、男の店に女が来ると、二人は引き合った。ところが、男も女も過去に苦しみ、破局が訪れる。女が町を去ったのだ。悲しむ男が教会に行くと、神父が「彼女を信じて祈りなさい」とアドバイスする。男は懸命に彼女の幸せを祈り続ける。その頃、女は、過労で倒れ生死の境を彷徨っていた。奇跡的に回復した彼女は愛されている自分を感じ、自分を赦し愛せるようになる。渇きは癒やされ、女は、男の町へ戻った。