「もう、いいや……」
そのひと言を最後に、優しくて美しかった姉は、僕の目の前からいなくなった。
あまりに唐突で、信じられなくて、まるで世界中から色彩がなくなってしまったように感じたあの日から12年。
当時の姉と同じ17歳になった僕は、
どこか壊れてしまった両親と暮らす家と、姉が通っていた高校の教室の片隅で灰色の毎日を過ごしていた。
姉の十三回忌の日、「彼女達」が現れるまでは……。
理由も分からないまま、突然姉の死を目の当たりにして心の時間が止まってしまった少年と、その周囲の人々。
彼らはこれまで何を思い、これから何を知って、この先どのような道を進んでいくのか。
これは、一人の少女の死に何かを失くしてしまった人々の、愛と再生の物語だ。
(完結作品)
ドラマ
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