マリベルは回復術士兼ギルドの受付嬢。小さい頃に母を亡くし、一ヶ月前にギルド長だった父が亡くなり、ひとりぼっちになった。
更に追い打ちを掛けるように、恋人だと思っていたエミリオが親友のプリシラと付き合っていて、自分が浮気相手だったと知り、ついお酒を飲み過ぎた。
二日酔いに目覚めると知らない部屋にいた。部屋にはC級冒険者のフェルがいた。
取り敢えずマリベルが酔いつぶれたのを介抱してくれただけのようだが、マリベルがいたのは街一番の高級ホテルのスイートだった。
彼は一体何者なのか。
聞けばマリベルの父と昔からの知り合いだったようだが、それ以上多くを語らなかった。
しかもどうやらマリベルは酔った勢いで彼につきあってくれと言ったみたいだ。
お酒の上のことだと一度はなかったことにしてほしいと言ったマリベルだったが、次の日、目の前にプリシラが現われエミリオと結婚することを告げた。
おまけにマリベルがエミリオにつきまとっていたかのように話す。
そこへフェルが採取の難しい薬草の束を持って彼女の前に現われる。冒険者としては中級だが、顔の良い彼は密かに注目されていたが、女性には塩対応だった。
マリベルはプリシラについフェルと付き合っていると言ってしまった。
そこからマリベルはフェルと表向きは恋人になったが、彼はC級とは思えない実力の持ち主だった。