田中久美子(40歳)は夫と息子ひとりのパート主婦。氷河期を経験し、就職とその後の人生で苦労をしたが、夫の健一は税理士試験に合格し、タワーマンションを買うなど生活はやっと安定してきた。夫とは仲が悪いわけではないが、いいとも言えない。
ある日、久美子はパートにいく途中に、電車の火災事故に遭遇する。さいわい怪我はなかったが、体調不良に悩まされ、パートを休むことになる。
たまたまつけたワイドショーで、有名大学の男子学生複数人で、女子学生を暴行した事件を扱っていた。女子学生の「落ち度」が問われるが、ひとりの男性コメンテイターが女子学生を擁護して脚光を浴びる。「オンナの味方」と言われた弁護士太田マキ男だが、実は短大時代の久美子を性のはけ口として、セフレ以下の扱いをした男だったのだー。
マキ男人気は高まる一方で、女性誌に連載を持ち、人気の司会者の引き立てでバラエテイ番組のレギュラーに就任、自分の事務所を持つなど、わが世の春を謳歌していく。
マキ男の「ウラの顔」を週刊誌にたれこむが体よく断られ、友達にも「暇だからそんなことを考えるのだ」と取り合ってもらえない久美子。
意を決して、マキ男の事務所に法律相談のふりをして乗り込むが、ここでもマキ男には会えなかった。かろうじて、マキ男の住むマンションをつきとめたが、頑丈なセキュリティの前になるすべがない。久美子は、”秘策”をとることでマキ男と再会を果たすのだった。