エーリャンは山の中にポツンと一軒だけ建つ大きなお屋敷の前に立っていた。この春から1年間、この屋敷で住み込みのバイトをすれば大学の学費と大学に通っている間の生活費を支給されるらしい。
そんな文言に惹かれたエーリャンはこのバイトを始めることにした。
この屋敷には4人の住人がいるがそれぞれの季節にしか起きることができない。つまり春の住人は秋の住人に会うことができず、夏は冬に会うことができない。そんな中でも楽しそうに毎日を生きる4人を見てエーリャンは諦めていた、美術学科に入学し絵画を勉強するという夢を思い出す。
1年後、約束の日にエーリャンは晴れ晴れとした顔で1年前と全く変わらない春の住人に別れを告げる。この春から美大に入学することが決まっていた。
決して交わることのない友人たちに対してさまざまな交流を試みる4人と挑戦しなければ何も始まらないということを知った青年の1年限りの交流。