「どうかお願いします!私の為に、死んでもらえませんか?」
前世の記憶を失くしたまま、死後の世界で目を覚ましてしまった綾月(あやづき)利映(りえ)。
彼女は目標実績を達成すると自分の願いを叶えてくれるという約束を信じて、株式会社Far Far Awayの営業職、つまり「死神」になる。
「死神」の仕事は、亡くなった方たちをきちんと死後の世界へ案内すること。
目標の666人の魂を案内する仕事に夢中な利映に、会社の若社長、黄泉が近づいてくる。
「すべての物事には必ずわけがある。だから君に前世の記憶がないのも、きっとなにかの意味があるんだ。例えば…こうして私に会うため、とかね」
完璧すぎる彼と体の関係を持ち、幸せを感じる中でも、どこか違和感を覚える利映。
一体、自分は何者なのか?
なぜ自分には過去の記憶がないのか?
そしてー
「君とは絶対キスしない。何があろうとも、だ」
すべてを許しても、唇だけは絶対許さない、その理由とは…?