森の中、自分の名前も思い出せずパニックになりかけたところに現れたのは、人間であるはずなのに『ウサギ』であるという意識を抱かせる青年・白兎(ハクト)だった。彼は、『私』を『お客様(アリス)』と呼び、世界を踏み外した者が訪れるこの場所に体を置いて訪れてしまったため『私』は近いうちに死ぬだろうと告げる。
『アリス』としてこの世界を巡り、元の世界へ戻る手順を踏めばいいと言われ、帽子屋・トゥイ―ドル3兄弟・赤の女王と会う。この世界のおかしさを実感する。再び帽子屋の元を訪れ、元の世界に戻るためのヒントをもらう。敵対心をむき出しにしたチェシャ猫が現れるが、拾った懐中時計を見て動揺する。初代の『アリス』の記憶を見、その思いを伝えるとチェシャ猫は敵対心をおさめる。しかしそこに白兎が現れ、それではこの世界が壊れてしまう、『アリス』としてこの世界を維持してもらわなければ、と言う。
自分勝手な理論だと思うが、事情がわかってしまった故に怒りにまで昇華できない。『お客様』であり『主役』である『アリス』の性質を利用して世界を作り替え、『不思議の国』と現実世界を行き来することで『不思議の国』を維持するようになるのだった。