ルナリェーナ侯爵家の次女であるセレーネは、聖女として活躍する姉・カノンの姿に憧れていたが、聖女に必要な治癒魔法が発現しなかった。そこで着目したのが、現在は栄えていない魔法薬学の将来性。これを極めることで治癒魔法なしでも聖女に近しい力を生み出せるのではないかという仮説を立てたセレーネは、アカデミーに入学して猛勉強を開始する。研究は軌道に乗り、ついに成果を公に示す大事なプレゼンの日を迎えた。ところがそこで、予想外の事態に見舞われる。プレゼン直前に突如オメガとして覚醒し、発情期に陥ってしまったのだ。抑制剤などがないこの世界でプレゼン開始までの短時間に発情期を鎮める方法はただ一つ。アルファと交わり、さらにその場で項を噛んで番契約まで結んでもらうこと。だが相手がいないと途方に暮れていたその時、目の前に現れたのは片思いしていたリュカ王子。彼は「結婚は聖女とすると決めているので出来ないが、代わりに一時的な番関係を結ばないか」と提案してきた。どうせ叶わないと思っていた恋。仮初めの番関係でも僥倖だと、彼の手を取ったセレーネ。だが「あれ? 私は聖女じゃないのに、何だか最近殿下から溺愛されていませんか!?」
キャラクター・プロット
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