1話
鈴木楓は幼い頃から女優になることを夢見ていたが、オーディションは全滅。家具から雑貨まで扱う小売会社、YOROZUKANへ入社した。
そこで出会ったのは社内最年少の次長、ケン。社内には新入社員のサポートを目的としたバディ制度があり、楓はケンとバディを組むことになった。オーラの欠片もないケンは実際、情報収集力に長け、瞬時に客の心を掴む販売の天才だった。また、ケンには、祖父のような販売員に憧れた亡き弟の存在があった。
2話
ある日、売り場で泣き出す子供を即興劇で笑顔にした楓。その様子を目にしたケンは、8年前も闘病中の弟の見舞い中、同じく闘病中の楓の即興劇を見ていたことを話す。
楓は持病再発の可能性を隠して入社し、ケンはその事実を知りつつ楓の人となりに惹かれ、入社を受け入れていた。
入社後、半年。ケンの影響で販売にやる気を出した楓だったが、空回りを繰り返していた。思わず恋人、佐藤勇人に冷たい態度を取ってしまう。そこで、ケンは楓に、客と利害が一致しなければ売り上げに繋がらないと話す。
そんな時、楓は悪臭漂う年配男性客の接客をし、男性客に感謝されたことで販売の楽しさに気付く。
3話
翌日、勇人は年配女性客の機嫌をそこねてしまい、咄嗟に楓、ケンの二人がフォローに入る。
4話
退勤時、楓のフォローに礼を言う勇人だったが、楓の心が離れていることもあり、自身を磨くため、と別れを切り出す。
一週間後、再び年配女性客が現れ、高額の購入に至ったが、勇人の手配ミスにより商品の納期が遅れ、ケンが謝罪へ出向くことに。その時、あまりにケンを心配した楓は改めてケンを何よりも大切に思っていることに気付く。
5話
当初は文句ばかりだった楓だが、ケンに何度も助けられ、多くを教わるうち明らかに成長を遂げていた。やがて、楓は客が求める物を見極め、ケンが売り込む、そんな二人のバディは最高の組み合わせとなった。
そんなある時、悪臭漂う年配男性客は名門大学の教授であったことが発覚し、教授が楓の接客を評価したことで、楓はメディアで注目を浴び、芸能デビューのチャンスを得る。しかし、あれほど憧れたデビューを楓は迷っていた。
6話
楓は結局、芸能デビューでなく販売の道を極めることを決意した。
また、ケンはかつて、闘病中の楓の即興劇を見て亡き弟の願い、祖父のような販売員になる夢を決意していた。
「君と一緒に叶えたい。一瞬で心を奪った、魔法使いのような君と」
ケンは楓と共にその夢を実現させたのだった。