感情がある一点を超えると、小さな自分(ミニ子)として飛び出してしまうという特殊体質の小野寺 未華子は、不良のレッテルが貼られた尾崎 蓮という男子が気になっていた。
そして、霊感体質で霊体(カイ)に憑りつかれている蓮もまた、未華子が気になる存在であった。
お互いに他人には理解できない現象を抱え、それ故に無表情な二人は、本人たちですら自分の感情に気がつけずにいる。
そんな未華子と蓮は、友人の姫奈や小池、カイの力を借りながら、少しづつ距離を縮めていく。
その過程で、感情の尊さに気がついたら未華子は、喜びだけでなく、悲しみや怒りまでもミニ子として放出せず、自分で感じたいと願いだす。
蓮もまた、分かり合えないと諦め、人との間に溝を作ってしまう自分を変えようと思い始めた。
未華子は、感情を失うきっかけとなった父親に想いをぶつけることで、父親と和解を果たし、久しぶりの涙を流す。
蓮は、カイが自分の叔父だと知り、カイの過去を追うことで、霊に振り回されるだけの自分の生き方を見直す決意をするのだった。
まだ、ミニ子が飛び出すこともある。霊感体質もそのままだ。
しかし、二人は慣れない笑顔で手を取り未来へ歩み始めた。