BAR
ここには、我が息子に残しておきたい言葉を綴ろうと思う。
私は決して良い親であったとは思っていないし、罪深ささえ感じていたりする。
だけど、私には、本当にあなたの存在が必要だったし、あなたが本当に愛しいのだ。
もういい加減、成人式も過ぎて二桁になるあなたに、可愛いも愛しいも、かなり恥ずかしい言葉だけれど。
私がこうしてこの世にいるのは、やはり私の母が、私の存在を必要としていたからで、実際、私は大切に育てられたと思う。乳幼児時期に、父が海外にいた一年間を、私は未だに断片的に覚えている。
優しくて柔らかくていい匂いの母と二人きりで、朝から晩までいたのだ。
雷の時、ベッドの下に二人で潜っていたこと。光ってからゆっくり10数えてくれたこと。赤色のベビーチェアに座って食べた食事。この椅子は七歳過ぎまで私の椅子だった。 息子にはこんな椅子に代わるものがあるだろうか。
私は息子の一生を考えて、幸せであって欲しいと今更ながらに願ってやまない。
君は幸せかい?
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