高校最後の夏休みを終えた蝶野唯慈(いちか)は、ある日の放課後、幼馴染の綾野瑞葉(みずは)に連れられ、彼女が所属している美術部の顧問のところへ行くことになる。顧問は今年高校を卒業する二人に最後の課題と称して、「嫌いなものを一番美しく描く」というお題を言い渡した。受験などがあるため課題の提出は任意となっていたが、唯慈は自身の進路よりその課題の絵を描くことを選び、過去を辿って嫌いなものを探しはじめる。そして、その回顧と現実の中で多くのことに気づかされ、これまで目を背けていた過去と将来に落とし前を付けることを決心する。これは彼らの後悔と自立の物語。