舞台は人間と怪異が共存し、混血者も多く生まれるとある王国。人間が怪異を迫害することで支配していたその国で、吸血鬼の混血者である孤独な青年・ファルシエと王室から逃げ出した元王子・エリンズは、偽りの主従関係を築き、国の外れでひっそりと暮らしていた。幼い頃に受けた呪いによって苦しめられ、ファルシエと出会ったことをきっかけに王室を逃げ出したエリンズだったが、次期国王となる実弟・エイルの徹底的な怪異排除計画を知り、それを阻止するために王室に戻ることを決意する。一方、ファルシエの出生、そしてエリンズとの関係に隠された秘密が徐々に明らかになっていく。果たして二人の運命は──これは、無知で罪のない王たちの物語。