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裏 鬼十郎

うら おにじゅうろう

たまに変な小説を書きに来ます。

たまに陥るニヒリズム

病気なので、常人が考えつかないようなニヒリズムに陥ることがあります。
我々は、生きてるだけで邪悪なんじゃないか、とか。
もう「原罪」的発想です。
これがあるから、社会に馴染めない。
営業していたころ、すごく儲かったんです。
でも、「騙している」って気持ちが、抜けなかった。他にも色々あったけど、それが一番辛くて、辞めました。
人は、弱者から搾取して生きている面がありますよね。
そういう面に、耐えられない。
逆に、みんななんでのうのうと生きてるのか、鈍感なんじゃないかと思ってしまう。
だからと言って、マザーテレサみたいにも、なれない。
冷房の効いた部屋でつらつら書き物してるだけ。そんな自分の半端さに、たまに、ものすごくしにたくなるんです。
メンタル弱いですね。あはは。

今日は、そんな恨みつらみを込めた詩を。



僕の中で混ざった さまざまな思い
渦巻きあって やがて闇になった
闇といえば思い出す誰かの輪郭
朧げで儚くて もう掴めない

二週間で全て 新陳代謝する生き物
多分どんな贅沢をしてもまだ飽き足りない
欲望の海の底 やんわりと鈍色の 泥を掴んだ

僕の心はいつも自分しか見られない 
澄んだ鏡で
あなたを見たいのに

僕の中で澱んだ さまざまな願い
渦巻きあって やがて祈りになった
誰かのため生きることも エゴでしかない
自分のより高価な宝石を 
大して何も思っていない相手に捧げたりして

二週間で変わり果てる生き物
恐竜ほどのエネルギーを一日で使う
何百年後には
何も残らないくせに

僕はいつも僕を恐れていた
欲を知り 等価交換を学んだ 僕は
かけがえのないものさえ 犠牲にしそうで怖い
踏み躙って生きていることが怖い
綺麗な想い
忘れきれないくせに 生きていて

僕の中で混ざった さまざまな願い
絡まりあって やがて自分になった
思い出す誰かの輪郭は あの日の僕だ
色彩が豊かだった
今はもう 掴めない 万華鏡みたいな色彩

さよなら
さよなら
さよならを繰り返して
また新たなものに出会って

心に傷が空いた代わりに
力や知恵は実っていく
空洞になっていくかつての僕を
悲しむべきか否か

色々な知恵に染まり 闇になった僕を
僕は憎むべきか否か


コメント

資本主義がなんだか苦手で、大学を卒業した後、転職を五、六回繰り返していました。
自分が売っているものが、正当な価値で卸されているのかとか、買った人を幸せにするのかとかを考え過ぎてしまい、儲けるのが苦手でした。

本だけは好きで、漫画も結構読む方だと思います。ですから今の仕事になったのですが、かつていた職場のように、相手の購買意欲をそそることよりも、整理整頓と相手の問題解決に重点が置けと、職場の人たちも私に理解があり、幸せです。
私も周りを理解しなくてはと思います。

この詩は、そんなプレッシャーの合間に読んだ「宝石の国」という漫画を読んで、なんとなく、主人公と自分の重なる部分だけを書いた詩です。
漫画の作者さんが読んでいる本に、稲垣足穂さんや澁澤瀧彦さんのお名前があったのが印象的です。また、作者さんは、宮沢賢治さんの銀河鉄道の夜の表紙も書いていて、私の青臭い心情を慰めてくれました。
私が思うには、仏教と資本主義は相性があまり良くない気がします。
私自身、祖母が熱心な宗教家で、(特定の宗教に熱心というよりも、宗教そのものに興味があるのです。)釈尊やイエスを大学では学びました。
仏教は概要を、聖書はドイツ語ルター版で。
話は逸れますが、ドイツ語をブルーのインクとパイロットのシュバリエの万年筆で、ツバメノートに刻むことを教師に教えられ、それが大変な快感でした。
そういう経験から、私は、資本主義に参加しておきながら、資本主義に苦手を感じています。苦手、というよりは、資本主義に馴染む人たちへの、苦々しい嫉妬に近いのかも知れません。
今資本主義に染まりつつある自分にも、最初からこうしていればよかったのだという苦々しい気持ちと憎しみを捨て切れません。
そんな想いをぶつけただけの詩を、推敲もなしに送ってすみません。
ただ、叫ぶことでしか生きていけない自分を許されたいです。

コメント

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  • 裏 鬼十郎

    加藤無理さん
    ご感想ありがとうございます😊
    これはある種の厨二病的感覚ですね。
    加藤さんの作品、ちょっとずつ読ませていただいています。

  • 加藤無理

    貴方のこの文章を読んでて私は忘れていた感覚や感情を少し思い出した気がします。