30 選ばれた者
こんにちは。
私のSNSのタイムラインに、バレエダンサーのユーチューバーなのかな?のファンの方がいるのだけど、その方が、ずっとそのダンサーさんを擁護する話題をしている。
ダンサーさんの周りは今炎上しているらしい。私もそこまで詳しくは分からないけれど。
まぁその事よりもだ。気になる言葉あった。
「バレエから選ばれる」という言葉だ。フォロワーさんの言葉では無くリツイートだったけれど。
私が演劇をしていた時、先輩がバレエをしている方がいたり、バレエを見るのが好きな方、照明の会社で働いてバレエの公演やオーデションなどを見ている方など、けっこうバレエに造詣《ぞうけい》が深い方が周りにいた。
バレエは持って生まれて努力ではどうしようもない部分も評価の対象になるそうで。もちろん体のバランスや身長・容姿、骨格だったり、特にデコルテのラインとか、それに髪の色。どんなに素晴らしく踊っても、髪の色が金髪だったりすると、オーデションの審査員の言葉が痛いとか言っていたなぁと思い出した。
バレエでは黒系の髪が良いとされているらしく(私は詳しくないので全部聞いた話ですよ?)それだけで採点が有利らしい。
そういう色々をひっくるめて、バレエをするのに適した人を「ナチュラルボーン」というそうなのだが、選ばれた人とはそういう意味もあるんだろう。
もちろん、バレエのために惜しまない努力が出来る人とか、劇団の中で認められる人格であるとか、そういう事も「選ばれる人」の意味に入るとは思うけれど。
でも人は努力ではどうにもならない部分でのスターを求めている所があって、憧れなんだと思う。
そしてそれは、バレエに限らずどの分野にも同じことが言えると思う。
歌だって小説だってそう。
選ばれた人が努力していなとは言わないけれど、もちろん努力ありきなんだけど、同じように又はそれ以上努力したってどうにもならない人もいるわけで。
この世は平等ではないんだなぁと思ってしまう。平等では無いといういい方はちょっとずれているかもしれない。
マッチングしていないんだろうな。
まず、時代が求めるものと。あとは自分がしたい事と出来る事と。
マッチングしている人は、幸運だと思う。
人並み以上に……いや、私が知る限り死ぬほど努力して、性格も良くて慕われて、ほとんど寝ずに漫画を描いて……漫画家としてそれなりに名前が知られるようになったけれど、帰らぬ人になってしまった方も知っているから……努力ってなんなんだろうなと、思ってしまうのです。
だから「選ばれる人」に憧れもあるし、すごい事だなと思うのだけれど、同時に「なんて残酷な言葉なんだ」とも思ってしまう。
選ばれない人にしかわからない事です。そしてそれは、誰のせいでも無いから辛い。
もともとが特別なオンリーワンだと言うけれど、それも正しい一面だけど、そのオンリーワンの個性は結局誰かから欲されるのかどうか、そこなんだよなぁ。
バラだってスイートピーだって、杉の花だってラフレシアだって、ブタクサだってオオイヌノフグリだって、みんなそれぞれの個性で素晴らしいけれど、玄関に飾ろうと思ったら、バラかスイートピーを選んでしまうもの。
バラかスイートピーで全員が生まれれば、平等に近いんですけどね……
まぁ全部私の屁理屈です。
でも障碍者の妹を持って、イベントなどでこの曲を使われているといつも心に引っかかっていた事。
もちろん私は妹の事は好きです。大切だったし、オンリーワンで、全ては個性だと思っていた。
人の心は多面的で複雑だという事ですね。
選ばれた人は、一生選ばれることのない人たちの努力を絶対に笑ってはいけない。自分が誰よりも努力をしているなんて思ってはいけない。それが事実だっとしても。選ぶ側は気まぐれなんだから。偶然飽きていないだけだから。
その「バレエに選ばれた」発言で私が思い出した事。本人が言っている訳ではないですが。
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