120 予期せぬ事
こんにちは。
なんとも上手く行かぬ。こんなイレギュラーな出来事がわが身を襲うとは……
私は普段の洋裁などの作業は、他界した祖母が生活していた部屋が空き部屋になっているので、そこを使っているのですが、夜、いきなり家族が知り合いを泊めると言い出して追い出されてしまいました……
お酒を飲んで帰る電車が無くなったそうです。
いや、こんな時間だったら素泊まり、安くない?急に泊まると言われたら、普通の民家は大体の場合、大騒ぎですよ。
聞いた時私は、新たにズボンを作るのに裁断の真っ最中だったので、広げていた布やらミシンやらアイロンやら必死に片づけましたよ……そして、もう掃除機がかけられない時間だから、コロコロをしまくりましたよ。なんせ、洋裁をしまくっている部屋は糸くずだらけなんです。
そして出来上がっている洋服も何着かあるし、生活エリアに持って行くと臭いが付くかもしれないから保管場所にも困る。それに明日中にあと二着のズボンを縫おうと思っていたので、ものすっごいタイムロスなんです。
……前もって教えてくれていたら、それなりのスケジュールを立てるのになぁ。
こんな罠が待ち構えていたなんてなぁ。
ところで件《くだん》のコートは本日やっと仕上がりました。本当は明日納品したいけれど、明日関西は雨なので断念。あさってですね。
このコートを作るのはかなり久しぶりだったのです。その間に大量の布マスクを毎日繰り返し作り、ポーチやら布トレイやら、かなりいろんなものをしかも繰り返し作ったのです。コロナの間中作り続けてるいと言っても過言ではない。
で、今回の久しぶりのコート。自分で言うのもなんですが仕上がったコートを見て、すっごく洋裁の技術が上がっているのを感じました。
全ての縫い目があるべき場所にはまり、正しい折り目で折られているような。そんなあるべき姿に組みあがた感じがするのです。矛盾がなく素直な感じがする。
今までも手を抜いていたわけでもないし、作り方を変えたわけでもなければ、道具を変えたわけでもない。なのに仕上がりの違いを感じてしまう。
「手が枯れる」とはこういう事なんだなぁ、と不思議に実感しました。
昔作った物を買ってくださった方になんだか申し訳ない気持ちでいっぱいです。まだまだ未熟な作品でした……。
しかしこういう事をこの先も続けたなら、今の作品についても同じように思う日が来るのかもしれないですね。
確かにスナップボタンつけひとつとっても、昔は穴が小さくて苦労していたのに、今はすいすいと穴の位置に針が顔を出す。だから縫い目を並べる事にまで神経を注げる。そういう小さな余裕が積み重なって行く事が熟練なのでしょう。
しかしなぁ、
泊まりに来た方、あの部屋に入ったらとにかく「デカいエリザベスがいる……」って思っただろうなぁ……
デカいぬいぐるみばかり買ってしまう病にかかっているので、驚かせてすまないな……
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